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リテーナーが痛い原因とは?今すぐできる対処法もあわせて解説

リテーナーが痛い原因とは?今すぐできる対処法もあわせて解説 監修 安藤 雄基 歯科医師の画像

リテーナー装着時の痛みは「歯茎や舌、唇が当たっている」「粘膜に長時間触れている」「歯列と合わなくなった」「歯周病が悪化した」「後戻りしてきている」など様々です。

装着時間は保定開始直後は1日20時間ほどが一般的で、期間も原則矯正期間の倍と長いことから、リテーナーが口腔内の粘膜に触れたり圧迫したりして痛みが出ることがあります。

本記事では原因ごとの対処方法も説明しているので、速やかな処置につなげてください。

この記事の監修医師

梅山 遼 歯科医師

梅山 遼 歯科医師

  • 監修

京都大学医学部附属病院歯科口腔外科、独立行政法人国立病院機構南和歌山医療センター麻酔科、東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科、順天堂大学医学部附属順天堂医院歯科口腔外科医局長を経て、現在は、DELTA CLINIC虎ノ門 歯科口腔外科・矯正歯科にて歯科医師として勤務しています。

リテーナーが痛む5つの原因

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リテーナー装着時に痛む原因の多くは、歯の後戻りや装着時間の長さなどによるものです。しかし中には歯周病といった、リテーナーと関係がないように思える原因であったり、金属アレルギーだったりすることもあります。なぜ痛むのか、理由とともに解説します。

歯の後戻り

歯が後戻りして歯列が変化するとリテーナーが合わなくなり、一部にだけ強い圧力がかか李歯が痛む、歯茎に当たる、舌が触れるなどして痛むことがあります。

「うっかり忘れていた」「装着時間を勝手に短くしていた」「頻繁に取り外していた」などに心当たりがある方は、歯の後戻りが原因かもしれません。違和感によるストレスもあるかもしれませんが、歯の後戻りを防ぐためにも必ず指示は守りましょう。

以下の記事では、痛みがあるのに無理に装着した場合のリスクなどを解説しているので、ぜひ一度読んでみてください。

装着時間が長すぎる

リテーナーは保定開始直後は1日20時間程度の装着をします。その後は経過を見て夜間のみ装着するのが一般的です。上顎や下顎などを覆うようなマウスピースタイプのリテーナーは特に、同じ部位が長い時間、圧迫されたり摩擦したりするため粘膜に痛みを感じることがあります。

リテーナーが歯茎や舌に触れている場合や、歯の表面のワイヤーが唇に当たっている場合なども同様です。常に触れていると傷になっても治りにくく、長期間痛みが続く可能性もあります。

リテーナーが合わない

歯の後戻りによって合わなくなってしまうケースだけでなく、無理な力を加えたり熱湯に浸したり、頻繁に取り外したりといったことで変形して合わなくなることもあります。合わないまま無理に装着していると、舌や歯茎などの粘膜が圧迫され痛むことがあります。

またリテーナーは、矯正治療で整った歯列に合わせて製作します。しかし装着しはじめた時点で痛みがあり「浮いた感じがする」「特定の部位だけ圧迫感が強い」などという場合、そもそも合っていなかった可能性も考えられます。

歯周病の可能性

歯周病が悪化すると、歯周病菌によって歯槽骨(歯を支えている骨)が徐々に壊されていき、やがて歯がグラつくようになります。歯がリテーナーで押されて動くことで痛みを感じたり、リテーナーが合わなくなって歯茎や舌などに痛みを感じたりする可能性があります。

そもそも歯がグラつくようになる前に、歯茎が腫れたり歯茎から出血したり、口臭が強くなったりなどの症状が現れることが多いです。心当たりがある方は歯周病の検査を受けるとともに、日々のケア、矯正の経過観察の受診もしっかりと見直しましょう。

その他の原因

金属製のワイヤーが使われているリテーナーは、金属アレルギーの症状を招くことがあります。リテーナーを使い始めてから舌や唇に痛みが出たり、口内炎ができたりするようになった方は金属アレルギーを疑いましょう。場合によっては皮膚科での精密検査が必要になることもあります。

また、マウスピースタイプなどの取り外しが可能なリテーナーは、歯ぎしりなどが原因で破損することがあります。あるいは保管時に外部から強い力・無理な力が加わることで変形する可能性も考えられます。破損したり変形した部分が粘膜に当たり、痛みを感じることも考えられます。

リテーナーによる痛みを軽減する具体的な対処法4選

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リテーナーが痛いときに自分でできる、簡単な応急処置などをいくつか紹介します。ただし痛みが強い場合や、破損・変形・歯の後戻りが原因と考えられる痛みだった場合は、自分で何とかしようとせずに歯科医院を受診してください。

痛み止めを服用する

すぐに歯科医院を受診できないときや、一時的に痛みを抑えたいとき、我慢できないときなどは市販の鎮痛剤を服用しましょう。ただし、服用に際しては事前に禁忌をよく確認してください。また妊娠中の方や服用中の薬がある方などは必ず、医師または薬剤師に確認をした上で服用してください。

あわせて長期間の服用は避けてください。鎮痛剤を飲まないとつらいほどの痛みが続くときは、できる限り早く歯科医院を受診しましょう。

患部に軟膏を塗る

口内炎や口唇炎などの傷ができて痛む場合は、患部に口腔内用の軟膏を塗って様子を見る方法もあります。軟膏を一週間ほど使ってみても痛みが続くときや、一度治まっても同じ部位に再発する場合などは、リテーナー側に問題があるかもしれません。原因をはっきりさせるためにも歯科医院を受診しましょう。

また炎症が出ている間は、歯磨きの際にブラシで強い刺激を与えて悪化させてしまわないように、優しく丁寧に磨きましょう。

装着時間を短くする

リテーナーの装着時間を短くしてもらえないか、歯科医師に相談してみるのもよいでしょう。ただし、リテーナーは歯の後戻りを防ぐ(歯列を固定する)ための装置なので、歯列が安定していない人は許可が得られない可能性があります。その場合は、歯科医師に別の対処方法がないか相談してください。

くれぐれも、自己判断で装着時間を短くすることは避けましょう。歯が後戻りするとリテーナーの作り直しや、人によっては矯正治療のやり直しになるおそれもあります。

リテーナーを調整してもらう

リテーナーの小さなズレや隙間などは、歯科医院で調整してもらえる場合があります。「装着時に痛みを感じる」「粘膜が圧迫されて痛い」などという方は一度調べてもらいましょう。

後戻りや変形の程度によっては、リテーナーの作り直しが必要になることもありますが、いずれにしても少しでも早く対処することが肝心です。

また、痛みはなくても「リテーナーが浮いているような感じがする」「ガタガタする(動く)」などという方も、歯の後戻りやリテーナーの変形が疑われるため、歯科医院を受診してください。

当てはまったら要注意!歯科医師に相談するべきサイン

当てはまったら要注意!歯科医師に相談するべきサインの画像 当てはまったら要注意!歯科医師に相談するべきサインの画像

リテーナー装着時に腫れ・出血を伴う痛みがある方や、痛みが徐々に強くなった、または1か月以上続いているという方は速やかに歯科医院を受診してください。理由を具体的に説明します。

痛みと共に腫れや出血がある場合

痛みだけでなく腫れや出血を伴う場合、傷口から細菌が入り込んで炎症を起こしているおそれがあります。また歯茎の腫れ・出血はリテーナーによるものだけでなく、歯周病が悪化していることも考えられます。

リテーナーが触れる部位は傷が治りにくく、長期化することで悪化を招くこともあるため、速やかに歯科医院を受診して治療の必要性を診断してもらいましょう。

痛みが増強したり、長引く場合

痛みが日増しに強くなる、口内炎が2週間も3週間も治らない、リテーナー装着時の痛みが1か月以上続くなどという場合は、歯科医院を受診して原因を調べてもらいましょう。

「そのうち治るだろう」と自己判断で受診をせずにいたり、市販の鎮痛剤を服用して長期間、痛みをごまかしたりすることは控えましょう。

症状が悪化するだけでなく、リテーナーの不具合が原因だった場合は歯が後戻りすることもあるので注意してください。

リテーナーが壊れてしまった場合

リテーナーが破損した場合は直ちに歯科医院を受診しましょう。すぐに受診できないときは電話をして指示を仰いで下さい。破損したまま装着していると、口腔内の粘膜を傷つけるおそれがあるほか、時間が経って歯の後戻りが進めば矯正治療のやり直しといったリスクも出てきます。

明らかな破損ではない場合、判断に迷うかもしれません。しかし「浮いている感じがする」「ガタガタする」など少しでも違和感があるときは、遠慮せず歯科医院を受診することをおすすめします。

まとめ

まとめの画像 まとめの画像

痛みの感じ方には個人差がありますが、自分が少しでも「おかしい」と感じたら迷わず歯科医院を受診しましょう。リテーナーが合わないなどで歯が後戻りすると、リテーナーの作り直しだけでなく、矯正治療のやり直しが必要になることもあるためです。

受診の際は、速やかな診断につなげるため「どこが」「どのように」「どんなときに」痛むのか、「いつから」「どれくらい(期間)」痛いのかなどを説明できるようにしておきましょう。

なおリテーナーが合わない場合、種類を変えてもらえる可能性もあります。リテーナーの種類は、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

また、矯正治療を受けた歯科医院で原因を調べてもらっても改善しない、引っ越してしまい通えないという方などは、セカンドオピニオン対応の歯科医院を受診してみるのもおすすめです。

矯正歯科ネットプラス編集部

この記事の執筆者

矯正歯科ネットプラス編集部

矯正歯科ネットプラス編集部は、メディカルネットが運営する矯正歯科に特化した情報サイト「矯正歯科ネットプラス」で日々配信を行っています。

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