きれいな歯並びは
歯医者選びから!

マウスピース矯正
に関するQ&A

マウスピース矯正の
基本的なQ&A

マウスピース矯正はどのような歯並びに適していますか?

マウスピース矯正は、一般的に軽度から中程度の歯並びの乱れに適しているとされています。
たとえば、前歯のわずかなガタつき(叢生)や、歯と歯の間の小さなすき間(空隙歯列)、過去の矯正治療後の軽度な後戻りなどが代表的です。
ただし、適応の可否は骨格や噛み合わせの状態にも左右されるため、精密検査に基づいた主治医の総合的な診断が欠かせません。
近年ではマウスピース矯正の技術も進化し、対応できる症例の幅が広がっています。気になる方は、まず歯科医院で相談してみましょう。

マウスピース矯正が向かない歯並びはありますか?

マウスピース矯正は、歯を大きく動かす必要がある重度の叢生(歯の重なり)や出っ歯、骨格的な問題による受け口などでは、適応が難しい場合があります。
また、歯を垂直に動かしたり、歯根の角度を大きくコントロールしたりする動きは不得意とされます。
このような症例では、ワイヤー矯正や外科的治療を併用することが検討されるケースもあります。
適応の可否には個人差が大きいため、まずは歯科医師に相談してみましょう。

年齢に制限はありますか?中高生や40代以降でも可能ですか?

マウスピース矯正に厳密な年齢制限はありません。歯を支える骨や歯ぐきが健康であれば、40代以降でも治療は可能です。成長期のお子さんの場合は、永久歯がすべて生えそろっていることが一つの目安になります。
ただし、どの年代でも治療を成功させるには、1日20時間以上の装着時間を守るなどの自己管理が欠かせません。年齢よりも、お口の健康状態とご本人の協力度が重要なポイントです。

抜歯が必要なケースでもマウスピース矯正は選択できますか?

抜歯を伴う症例では、歯を大きく動かす必要があるため、マウスピース矯正のみでの治療は難易度が高くなります。例えば、抜歯後のスペースを奥歯の移動で閉じるような動きは、ワイヤー矯正の方が得意とされます。
ただし、近年はマウスピース矯正の技術も進歩しており、症例によっては対応できるケースも増えています。
抜歯が必要な場合は、ワイヤー矯正との併用(ハイブリッド矯正)など、複数の治療方法について歯科医師と相談し、自分に合った方法を検討しましょう。

虫歯や歯周病があっても治療は始められますか?

虫歯や歯周病がある場合は、まずその治療を先に行うことが望ましいとされています。
矯正治療中は歯に力がかかり、装置によって清掃がしにくくなるため、口内トラブルが悪化するおそれがあります。
そのため、健康な口腔環境を整えてから矯正を始めることが、安全でスムーズな治療につながります。
また、矯正中も丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスを心がけましょう。

ワイヤー矯正との比較と
医院選びに関するQ&A

ワイヤー矯正との違いは何ですか?

マウスピース矯正とワイヤー矯正の大きな違いは、透明で取り外しができるかどうかという点です。マウスピース矯正は目立ちにくく、食事や歯磨きがしやすいなどの利点があります。
一方、ワイヤー矯正は適応範囲が広く、抜歯を伴うような複雑な症例にも対応しやすいのが特徴です。マウスピース矯正は自己管理が必要ですが、ワイヤー矯正は固定式のためその必要がほとんどありません。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、歯並びの状態やライフスタイルに合わせて歯科医師と相談しながら選ぶことが大切です。

医院選びで後悔しないためのポイントを教えてください。

医院を選ぶ際は、メリットだけでなく、デメリットやリスク、治療の限界まで丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。
また、費用体系が明確であることや、質問しやすく信頼関係を築ける雰囲気があることも大切です。
複数の医院でカウンセリングを受け、納得できる説明と治療計画を提示してくれた医院を選ぶと安心です。

マウスピース矯正の期間と
費用に関するQ&A

マウスピース矯正治療期間の目安はどのくらいですか?

マウスピース矯正の治療期間は、歯並びの状態や治療内容によって大きく異なります。
前歯など部分的な治療であれば数か月〜1年半程度、奥歯の噛み合わせまで含めた全体矯正では1年半〜3年程度が一般的な目安です。
計画通りに治療を進めるためには、マウスピースの装着時間をしっかり守ることが最も重要です。なお、治療期間はあくまで目安であり、歯の動き方や装着状況によって前後する場合があります。

費用の総額はどのくらいかかりますか?医療費控除は利用できますか?

マウスピース矯正は自由診療のため、費用は医院によって異なります。部分矯正では20万〜60万円程度、全体矯正では70万〜120万円程度が目安です。費用の中に、検査・診断料、調整料、保定装置(リテーナー)代などが含まれるかを事前に確認しておきましょう。
また、噛み合わせの改善など機能的な回復を目的とする場合は医療費控除の対象となる可能性がありますが、美容目的の場合は対象外です。詳細は国税庁の公式サイトで確認すると安心です。

矯正期間中の痛みや
日常生活に関するQ&A

治療中の痛みや違和感はどの程度ですか?

新しいマウスピースに交換した直後の2〜3日間は、圧迫感や締め付けられるような痛みを感じることがあります。これは、歯が計画通りに動いているサインでもあります。
多くの場合、痛みは徐々に和らぎますが、強い痛みが続く場合は主治医に相談しましょう。
痛みの感じ方には個人差がありますが、マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ない傾向にあるとされています。

1日の装着時間はどのくらい必要ですか?もしサボってしまったらどうなりますか?

マウスピース矯正の効果を最大限に発揮するためには、食事と歯磨きの時間を除き、1日20時間以上の装着が推奨されています。装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、次の段階のマウスピースが合わなくなる場合があります。
その結果、治療期間が延びたり、治療計画の再作成が必要になることもあります。マウスピース矯正では、自己管理が治療結果を大きく左右します。

食事や飲み物で気をつけることはありますか?

食事の際は、必ずマウスピースを外しましょう。装着したまま食事をすると、破損・変形や着色の原因になります。
飲み物については、糖分や酸を含まない「水」であれば装着したままでも問題ありません。
ただし、お茶・コーヒー・ジュースなどは着色や変形の原因になるため、マウスピースを外してから飲むようにしましょう。
また、食後は歯を磨いてから再装着するのが理想的です。

発音しにくくなることはありますか?

マウスピースを装着し始めた直後は、舌の動きがわずかに制限されるため、「サ行」や「タ行」などの発音がしにくく感じることがあります。多くの場合、この違和感は数日から2週間ほどで慣れて解消します。個人差はありますが、日常生活や仕事に支障が出ることはほとんどありません。
もし発音しにくさが長く続く場合は、マウスピースの調整で改善できることもあるため、主治医に相談してみましょう。

ホワイトニングも考えていますが、どの順番で行うのが良いですか?

一般的には、矯正治療で歯並びを整えた後にホワイトニングを行うのがおすすめです。
歯の重なりが解消されることで、ホワイトニング剤が均一に作用し、色ムラのない自然な白さを得やすくなります。
また、被せ物や詰め物の治療を予定している場合は、矯正とホワイトニングで歯の位置と色を確定させてから行うのが理想的です。
ただし、治療中でもマウスピースをホワイトニングトレーとして利用できるケースもありますので、希望される方は主治医に相談してみましょう。

妊娠中や授乳中でも治療はできますか?

マウスピース矯正は、妊娠中や授乳中でも基本的には継続可能です。
ただし、妊娠初期はつわりで装着が難しくなることや、レントゲン撮影を避けるなどの配慮が必要です。
また、ホルモンバランスの変化によって歯ぐきが腫れやすくなったり、出血しやすくなることもあります。
抜歯や麻酔を伴う処置を行う場合は、時期を慎重に検討する必要があります。必ずかかりつけの産婦人科医と矯正担当医の両方に相談し、連携を取りながら進めることが大切です。

マウスピース矯正の
各専門処置に関するQ&A

アタッチメントとは何ですか?必ず付ける必要がありますか?

アタッチメントとは、歯の表面に一時的に装着する、歯の色に近い小さな樹脂製の突起のことです。マウスピースだけでは難しい歯の動きを補助し、歯にかかる力の方向を細かくコントロールする役割があります。
治療計画上、歯を効果的に動かすために必要と判断された場合には、装着が不可欠です。審美性にも配慮されており、通常は目立ちにくい位置に設置されます。

IPR(歯のやすりがけ)とは何ですか?歯に問題はありませんか?

IPRとは、歯が並ぶスペースが不足している場合に、歯と歯の間の側面(エナメル質)をごくわずかに削る処置のことです。削る量は最大でも1本あたり0.2〜0.5mm程度とごく少量で、歯の健康に影響を与えない範囲で行われます。これにより、抜歯をせずに歯をきれいに並べるためのスペースを確保できます。

処置の際の痛みはほとんどなく、麻酔を必要とすることもほぼありません。
ただし、歯の形やエナメル質の厚みには個人差があるため、必要性や削る量は症例によって異なります。実施する際は、主治医の説明をしっかり確認し、納得したうえで行うことが大切です。

顎間ゴム(エラスティック)を併用することはありますか?

はい、症例によっては「顎間ゴム(エラスティック)」と呼ばれる医療用の小さな輪ゴムを使用することがあります。
これは、上下の歯(またはマウスピース)に引っ掛けて使用し、噛み合わせのズレを整えたり、特定の歯の移動を補助したりする目的があります。マウスピースだけでは難しい上下の顎の位置関係を整えるために重要な役割を担います。
ご自身での着脱が必要なため、指示された時間を守って使用することが、治療を成功させる大切なポイントです。

マウスピース矯正後の
ケアとトラブル対応
に関するQ&A

治療後に「後戻り」することはありますか?どうすれば防げますか?

矯正治療で動かした歯は、時間の経過とともに元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こることがあります。これを防ぐために、治療後は必ず保定装置(リテーナー)を装着し、歯の位置を安定させることが重要です。
リテーナーは、整えた歯並びを長く維持するための大切な装置です。指示された期間と時間を守って使用することが、後戻り防止の最大のポイントです。保定期間も矯正治療の一部と考え、継続的にケアを行いましょう。

保定装置(リテーナー)は、どのくらいの期間、装着が必要ですか?

リテーナーの装着期間や時間は、元の歯並びや個人の状態により異なりますが、一般的には矯正治療にかかった期間と同程度(例:1〜2年)が目安とされます。
最初のうちは食事と歯磨き以外の時間は装着し、歯並びが安定してきたら徐々に夜間のみの装着に移行していくことが多いです。
後戻りのリスクには個人差があるため、自己判断で装着をやめず、必ず主治医の指示に従ってください。

マウスピースを紛失したり、破損してしまった場合はどうすればよいですか?

万が一マウスピースを紛失・破損した場合は、すぐに通院中の歯科医院へ連絡しましょう。自己判断で次のマウスピースに進めたり、装着を中断したりすると、治療計画にズレが生じるおそれがあります。
再製作には別途費用がかかる場合がありますが、医院によって対応が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

矯正歯科ネットプラス編集部

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矯正歯科ネットプラス編集部は、メディカルネットが運営する矯正歯科に特化した情報サイト「矯正歯科ネットプラス」で日々配信を行っています。

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矯正歯科ネットプラス編集部には、歯科医師・歯科衛生士が在籍しております。