きれいな歯並びは
歯医者選びから!

矯正歯科の保険適用
に関するQ&A

矯正歯科は保険が適用される?

矯正治療は、ほとんどの場合が保険(公的医療保険 / 健康保険)の適用外となります。

しかし、厚生労働省が定める特定の条件に当てはまる場合は矯正歯科治療が保険適用になることがあります。

矯正歯科で保険が適用される条件は?

厚生労働省が定める条件に当てはまる場合に、保険を適用して矯正治療ができます。

①厚生労働省が定めた61の先天性疾患がある場合
②前歯の永久歯が3本以上生えてこない場合
③顎変形症の場合

保険適用で矯正歯科治療が受けられる61疾患

厚生労働省によって認められている61の疾患に当てはまる場合、保険を適用して矯正治療を受けることができます(2024年4月現在)。

例としては、以下があげられます。
・唇顎口蓋裂
・6歯以上の先天性部分無歯症
・ダウン症候群
・その他顎・口腔の先天異常

61疾患について詳しくは公的社団法人 日本矯正歯科学会:厚生労働大臣が定める疾患をご確認ください。

保険適用で矯正歯科治療を受けるには?

保険を適用した矯正治療が受けられるのは、国が厚生労働大臣が定める施設基準に達しており、かつ、地方構成局長に届け出てる歯科医院のみです。

①厚生労働省が定めた61の先天性疾患がある場合
②前歯の永久歯が3本以上生えてこない場合は「指定自立支援医療機関」であり「矯正歯科治療診断施設」に認定されている歯科医院で保険適用の矯正治療を受けることができます。
③顎変形症の場合は「指定自立支援医療機関」であり「顎口腔機能診断施設」に認定されている歯科医院で保険を適用して矯正治療を受けることができます。

どこの歯科医院でも保険を適用して矯正治療を受けられるわけではないので注意しましょう。

保険適用で矯正歯科治療ができる歯科医院の探し方は?

「指定自立支援医療機関」であり「矯正歯科治療診断施設」、または「顎口腔機能診断施設」に認定されている歯科医院は以下の手順で探すことができます。

①厚生労働省の地方厚生局ホームページ(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/)から地域の厚生(支)局のHPにアクセス
②検索欄に「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力
③検索結果で出る、県別の受理医療機関より歯科のPDFを選択
④PDFに「矯診」あるいは「顎診」と書かれたものが指定医療機関を探す

※「矯正歯科治療診断施設」は「矯診」、「顎口腔機能診断施設」は「顎診」と表示されます。

保険適用の条件に関して

顎変形症は保険を適用して矯正が受けられる?

顎変形症が原因で噛み合わせが悪く、矯正治療や外科手術で治す必要があると診断された場合は保険を適用して矯正治療を受けることができます。

顎変形症の診断を受けるには?

顎口腔機能診断施設にて検査や診断を受けることで、顎変形症かどうかの診断を受けることができます。

顎口腔機能診断施設以外で顎変形症であると診断されても保険を適用して矯正治療を受けることはできないため注意しましょう。

顎変形症なのに保険適用外になることはある?

以下のような場合は、顎変形症でも保険を適用して矯正治療を受けることができません。

・顎変形症による噛み合わせの治療に外科手術が必要ない場合
・顎の変形が軽度で、歯並びや噛み合わせに異常がないと判断される場合
・顎の歪みによって歯並びや噛み合わせの異常が起きたと判断できない場合

顎関節症は保険適用で矯正できる?

顎関節症は、保険を適用して矯正治療を受けることができません。

顎関節症とは、口を開こうとすると顎関節が痛む、顎周辺の筋肉が痛む、顎関節から音がする、大きく口を開けられないといった症状の総称です。
顎変形症とは大きく異なるため注意しましょう。

開咬・叢生の矯正歯科治療は保険適用される?

開咬(上と下の前歯が噛み合っていない状態)や叢生(歯がデコボコに生えている状態)の矯正歯科治療は、原則として保険診療は適用されません。

しかし、厚生労働大臣が定める疾患や、顎変形症と診断を受けた場合には、保険適用で矯正歯科治療を受けることができます。
保険適用で矯正歯科治療を始めるには、指定された医療機関での診断が必要となります。まずは該当する症例なのか、歯科医院で確認してみてください。

関連Q&A)保険適用で矯正歯科治療を受けるには?

反対咬合(受け口)の矯正歯科治療は保険診療が適用される?

反対咬合(受け口)の場合の矯正歯科治療は、基本的に保険適用されません。
しかし、厚生労働大臣が定める疾患が原因で反対咬合が起こっている場合、保険適用となる場合があります。具体的には以下があげられます。

・先天性疾患による反対咬合
・3本以上永久歯が生えてこないことによる反対咬合
・顎変形症による反対咬合

関連Q&A)保険適用で矯正歯科治療を受けるには?

口唇口蓋裂の矯正歯科治療は保険適用される?

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)の矯正歯科治療は、保険適用となります。
保険適用となる理由として、口唇口蓋裂は、唇や上顎が生まれつき割れている先天的なお口の病気で、厚生労働大臣が定めた矯正歯科治療の保険適用となる疾患に該当します。

保険適用される口唇口蓋裂の症例と診断され矯正治療を受ける場合は、医療機関の指定があります。
探し方については、こちらを参考にしてください。

関連Q&A)保険適用で矯正歯科治療ができる歯科医院の探し方は?

上顎前突(出っ歯)の矯正歯科治療は保険適用される?

上顎前突(出っ歯)の矯正治療は、基本的に保険適用されません。
理由としては、前歯を下げることが目的の場合、見た目の改善が目的であることから、保険適用の対象に該当しないためです。

保険適用になる症例は、厚生労働省が定める条件である、先天性疾患がある場合や前歯の永久歯が3本以上生えてこない場合、または顎変形症の場合です。

関連Q&A)保険適用で矯正歯科治療を受けるには?

保険適用の矯正歯科治療は何割負担?

保険適用の矯正治療が受けられる場合、多くの人が「3割」負担です。
個々の健康保険の負担割合が適用されます。

保険適用の矯正歯科治療はいくらかかる?

合計30~50万円程度の自己負担額が目安です。

矯正治療は一般的に60~100万円ほどといわれており、3割負担の場合は20~30万円ほど。
外科矯正には片顎30万円程度と入院費用がかかりますが、高額療養費精度が適用されるため実際の外科矯正の負担金は10万円程度です(所得額によって異なります)。

保険適用でも白いワイヤー矯正にできる?

保険を適用して矯正治療を行う場合は原則金属のワイヤー矯正で、白いワイヤー矯正やマウスピース矯正を選ぶことはできません。

矯正治療に保険が適用されるのは疾患を治すためであり、治療中の見た目を考慮した装置は保険が適用されません。
ただし、治療を受ける歯科医院が白いブラケットや白いワイヤーしか取り扱っていない、という場合は保険が適用されるケースもあります。

保険適用でマウスピース矯正はできる?

マウスピース矯正で治療する場合は、保険適用条件を満たしていても保険は適用されません。

保険を適用した矯正歯科治療は何歳まで?

矯正歯科の保険適用に年齢制限はありません。

年齢に関係なく、厚生労働省が定めた特定の条件に当てはまる場合は保険適用対象となります。

小児矯正は保険適用される?

子どもの矯正(小児矯正)の場合、厚生労働省が定める条件に当てはまれば保険が適用されます。

また、自治体や条件によっては乳幼児医療費助成制度などと併用できる場合もあります。

保険適用の矯正歯科で見た目はきれいになる?

保険を適用した矯正治療ではあくまでもお口の機能の改善が目的であり、見た目をきれいにすることは治療に含まれていません。

治療後の見た目を重視した治療を希望する場合は、保険が適用されなくなります。
ただし、矯正治療を担当する歯科医師によっては見た目を考慮してくれることもあります。

矯正治療の途中でも保険適用に変えられる?

治療途中であっても、
①厚生労働省が定めた61の先天性疾患がある場合
②前歯の永久歯が3本以上生えてこない場合
③顎変形症の場合
に当てはまると診断された場合は、保険適用の治療に変更することができます。

ただし、場合によっては転院や保険が適用される矯正装置へのつけ直しなどが必要になることがあります。また、保険適用外の治療を受けていた歯科医院から返金されるかどうかは、歯科医院によって異なります

指定医療機関の調べ方