きれいな歯並びは
歯医者選びから!

抜歯矯正
に関するQ&A

抜歯の要否(適応)と
治療計画に関するQ&A

どのような歯並びだと、矯正で抜歯が必要になりますか?

顎の大きさと歯の大きさのバランスが取れず、歯が並ぶスペースが著しく不足している場合に、抜歯が検討されます。
具体的には、歯が重なり合うほどの重度の叢生(そうせい)や、口元が前に出ている上顎前突(出っ歯・口ゴボ)、下顎前突(受け口)などが挙げられます。抜歯によって得られたスペースを活用し、歯並びの改善や口元の後退を図ります。最終的な判断は精密検査の結果に基づいて行われるため、まずは主治医に相談してみてください。

抜歯矯正と非抜歯矯正の違いと、判断基準を教えてください。

大きな違いは、歯を並べるスペースを「抜歯でつくるか」、または「歯列を広げたり、奥歯を少し後ろに動かしたり、IPR(歯の側面を少し削る処置)」など抜歯をしない方法でつくるかという点です。
重度の叢生や口元の突出が強い場合は、大きなスペースが必要になるため、抜歯矯正が選ばれることが多いです。一方で、歯並びの乱れが軽度〜中等度であれば、非抜歯矯正で対応できるケースもあります。
どちらの方法が合っているかは、セファロ分析などの精密検査をもとに、歯科医師が総合的に判断します。

なぜ健康な小臼歯を抜くことが多いのですか?他の歯を抜くことはありますか?

小臼歯(前から4番目または5番目の歯)は、歯列のほぼ中央に位置しており、抜歯で得たスペースを前歯の後方移動や全体の歯並びの調整に効率よく活用できるため、矯正治療では選ばれることが多い歯です。
また、前歯や奥歯に比べて噛み合わせへの影響が少なく、機能面・見た目の両方でバランスを保ちやすい点も理由の一つです。
ただし、虫歯や歯の損傷などで状態が悪い歯がある場合は、その歯を優先的に抜歯することもあります。
どの歯を抜くかは、口腔内の状態や治療方針によって異なるため、主治医と相談のうえで決定します。

抜歯する本数はどのように決まりますか?(例:2本や4本、左右非対称など)

噛み合わせのバランスや顔の対称性を考慮し、上下左右1本ずつ、計4本の小臼歯を抜歯するケースが一般的です。
ただし、出っ歯の程度が強い場合は上顎のみ2本を抜歯したり、歯列のズレが片側に偏っている場合は左右非対称に抜歯したりすることもあります。
抜歯する本数や位置は、治療の目的や口腔内の状態を踏まえ、精密検査の結果に基づいて慎重に決定されます。
自分に合った治療方針を知るためにも、主治医に詳しく相談してみましょう。

マウスピース矯正(インビザラインなど)でも抜歯は可能ですか?適応の限界はありますか?

はい、マウスピース矯正でも抜歯を伴う治療は可能です。
ただし、ワイヤー矯正に比べて大きな歯の移動や歯の根の角度の細かなコントロールが難しい場合があり、すべての症例に適応できるわけではありません。
特に抜歯によって生じた広いスペースを閉じるのに時間がかかったり、歯が傾いて倒れ込みやすくなるリスクも考慮が必要です。
適応の可否は、歯の移動量や骨格の状態など個々の症例によって異なるため、治療方針を立てる際に歯科医師へ相談して確認することが大切です。

抜歯矯正の痛み・期間・費用
に関するQ&A

抜歯や装置の調整に伴う痛みはどのくらい続きますか?仕事や学校は休む必要がありますか?

抜歯後の痛みには個人差がありますが、一般的には2〜3日がピークで、1週間から10日ほどで落ち着くことが多いです。痛みは市販の痛み止めや処方薬でコントロールでき、親知らずの抜歯と比べると軽度なケースがほとんどです。
矯正装置の調整後は、歯が動く際の圧迫感や鈍い痛みを感じることがありますが、こちらも2〜3日をピークに、1週間ほどで自然に和らぎます。
多くの場合、日常生活や仕事・学校を休む必要はありませんが、大切な予定がある場合は、事前に歯科医師へ相談しておくと安心です。

抜歯を伴う矯正治療の期間は、どのくらいが目安ですか?

抜歯を伴う矯正治療は、歯を大きく移動させる必要があるため、非抜歯矯正に比べて治療期間が長くなる傾向にあります。
一般的なワイヤー矯正では、全体の治療期間はおよそ2〜3年程度が目安です。
マウスピース矯正の場合は、歯の移動効率がやや低いため、さらに期間を要するケースもあります。
ただし、実際の期間は歯の動きやすさ、年齢、歯並びや噛み合わせの状態などによって大きく異なります。
そのため、治療計画時に歯科医師から提示される期間を確認し、定期的に進捗を相談することが大切です。

抜歯矯正にかかる費用の総額はどのくらいですか?分割払いや医療費控除は利用できますか?

抜歯費用は矯正治療費とは別に発生し、自費診療の場合は1本あたり5,000円〜15,000円程度が目安です。
矯正治療全体の費用は、装置の種類や症例の難易度によって異なりますが、おおよそ80万円〜150万円程度が一般的です。
多くの歯科医院では分割払いやデンタルローンに対応しており、支払い方法を柔軟に選べます。
また、噛み合わせ改善など機能回復を目的とした矯正治療と診断された場合には、医療費控除の対象となることがあります。
そのため、支払い時の領収書や契約書は大切に保管しておくようにしましょう。

抜歯矯正の仕上がりと
リスクに関するQ&A

抜歯矯正で横顔や口元(口ゴボ)はどのように変わりますか?

抜歯によって得られたスペースを利用し、前歯を後方に移動させることで、前方に出ていた口元が下がり、横顔の印象がややすっきりと見える場合があります。
この変化により、鼻先と顎先を結んだEライン(エステティックライン)のバランスが整うケースもあります。
ただし、変化の度合いは骨格や歯並びの状態、治療方針によって大きく異なり、個人差があります。
仕上がりのイメージは、治療前にシミュレーション画像などで確認し、歯科医師としっかり相談しておくことが大切です。

口元が下がりすぎて、老けた印象にならないか心配です。

抜歯矯正では、前歯を後方に移動させすぎると口元がやや下がり、表情が寂しく見えたり、ほうれい線が目立ってしまうなどの変化が起こる場合があります。
こうしたリスクを防ぐためには、治療前の精密検査や顔貌分析を丁寧に行い、仕上がりのバランスを確認することが大切です。
治療のゴールや仕上がりのイメージについては、歯科医師と十分に相談し、シミュレーションなどで共有しておくと安心です。

抜歯矯正の治療を
納得して受けるためのQ&A

抜歯が必要と言われましたが不安です。セカンドオピニオンはどのように活用すればよいですか?

不安な気持ちのまま治療を進めることは望ましくありません。セカンドオピニオンは、別の専門医から客観的な意見を聞き、治療方針への理解を深める良い機会です。
現在の主治医から検査資料(レントゲンなど)を提供してもらい、それを持参して相談するとスムーズです。複数の意見を聞くことで、なぜ抜歯が必要なのか、あるいは他の選択肢はないのかを多角的に検討でき、納得して治療法を選択するための重要な判断材料になります。

治療のゴールや仕上がりの満足度について、どのように医師とすり合わせればよいですか?

満足のいく仕上がりにするためには、治療開始前のカウンセリングで丁寧に希望を伝えることが大切です。
「口元を少し下げたい」など、具体的な要望を言葉にしたり、理想に近い歯並びや横顔の写真を見せたりすると、イメージが共有しやすくなります。
また、歯科医院でシミュレーションソフトを使って治療後の予測イメージを確認し、気になる点があればその場で相談してみましょう。
医師と患者の間でゴールのイメージをすり合わせておくことが、納得感のある治療につながります。

矯正歯科ネットプラス編集部

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矯正歯科ネットプラス編集部

矯正歯科ネットプラス編集部は、メディカルネットが運営する矯正歯科に特化した情報サイト「矯正歯科ネットプラス」で日々配信を行っています。

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矯正歯科ネットプラス編集部には、歯科医師・歯科衛生士が在籍しております。