アンカースクリュー
に関するQ&A

次のようなケースに当てはまる場合、アンカースクリューを使った治療が必要になります。
・過蓋咬合（かがいこうごう）：上の歯が下の歯を被せている状態：の人
・開咬（かいこう）：上下の前歯に隙間がある状態の人
・外科手術が必要といわれている人

過蓋咬合の場合は、上の歯を動かすためにアンカースクリューを使用します。開咬の場合は、奥歯を持ち上げるためにアンカースクリューが必要になります。また、顎変形症などの外科手術が必要となる症例でも、アンカースクリューを使うことによって、手術を回避できる場合があります。
アンカースクリューが必要かどうかは、歯科医師の判断によって決まります。気になる方はカウンセリングの際に聞いてみるのがいいでしょう。

アンカースクリューは、矯正治療を効果的に・効率よく進めるための方法として使われるものですが、使うことによって起こりうるデメリットもあります。

・炎症を起こす可能性がある
・歯根を傷つける可能性がある
・アンカースクリューが脱落する可能性がある

アンカースクリューは外すことを前提に埋入するため、骨へ結合させずに使用します。そのため、患者さんの骨の状態によっては、アンカースクリューが外れやすいケースがあります。
また、お口の中が不衛生な状況だとアンカースクリュー付近の歯茎が細菌感染し、炎症を起こしてしまう場合があります。口腔内は常に清潔な状態を保ちましょう。

アンカースクリューは歯の根と根の間に埋め込むことが多く、その際に歯の根を傷めてしまう可能性があります。そのため、実際に埋めこむ際は歯科医院で歯科用CTやレントゲンを撮影し、ドクターが歯の位置を把握したうえで治療を行います。

またアンカースクリューをつけてから毎日の歯磨きや口腔ケアを疎かにすると、細菌に感染して炎症を起こしてしまう可能性があります。
お口の中を清潔に保つことで、細菌感染を未然に防ぎましょう。

アンカースクリューの成功率は、8割〜9割といわれています。

アンカスクリューはインプラントと異なり、骨に結合させることなく、治療に必要がなくなった段階で取り除きます。そのため、骨の状態や口腔内の衛生状態によって、アンカスクリューが緩んでしまったり、外れてしまう可能性があります。

マウスピース矯正の場合でも、アンカースクリューが必要になる可能性があります。

主に必要になるケースは、出っ歯や受け口、叢生（そうせい）、開咬（かいこう）など、矯正装置だけでは治療が難しい場合です。これらの症例に当てはまる方にアンカースクリューを使用することで、歯を動かしたい方向に効率よく導き、歯列を整えることができます。

また、アンカースクリューを使用することで、治療期間の短縮や抜歯をしない治療計画などが可能になります。

アンカースクリューを上顎に打ち込む場合、アンカースクリューは主に口蓋部というお口の中で天井部分の真ん中あたりにとりつけます。理由としては、歯の近くに埋入すると歯の根っこ部分の損傷を与えてしまう可能性やアンカースクリューが離脱しやすい可能性があるためです。

上顎にアンカースクリューを装着する症例としては、上顎前突、下顎前突、上下顎前突、叢生などがあります。
口蓋部にアンカースクリューを1本、または2本埋入し、そこにワイヤーを装着することで、奥歯だけを後ろに下げることや、歯並び全体を後ろに下げることが可能になります。
その結果、口元が盛り上がっている状態の口ゴボの改善が期待できます。

アンカースクリューの費用は、一般的に1本あたり2万〜4万円あたりが相場といえます。基本的に保険適用の対象にはなりません。しかし、医療費控除を活用することで、費用負担を減らすことができます。

アンカースクリューは、それぞれの歯科医院で金額が変わるため、治療を受ける前に確認しておくと安心です。

アンカースクリューは、基本的に保険適用されません。

しかし、顎変形症など厚生労働大臣が定める疾患に当てはまる場合は、適用されるケースもあります。
自身が保険適用となる症例なのかは、歯科医院にて確認してみてください。

アンカースクリューは、症例によって装着期間が変わります。

埋入してから半年〜1年間程度で外れる場合や、矯正治療が終了するタイミングまでつける場合があります。期間が気になる方は、治療計画の段階で質問しておくといいでしょう。

アンカースクリューを埋め込む際は、局所麻酔を使用するため、痛みを感じにくいといわれています。また、痛覚のない骨に埋入するため、そこから痛みを感じることはありません。

ただし、アンカースクリューを設置した後、麻酔が切れたタイミングで多少の痛みを感じる場合があります。その場合は処方された痛み止めを飲んで、数日間様子をみましょう。痛みは埋入後2〜3日ほどで改善されることがほとんどです。

基本的には、埋入後2〜3日ほどで緩和されるといわれています。
その期間は、痛みを無理に我慢せず痛み止めを服用しましょう。

1週間ほど痛みが続く・痛みがどんどん強くなっている場合は、かかりつけ医に相談してください。

アンカースクリューが当たって痛い場合に考えられるケースはさまざまです。

アンカースクリューを装着してからすぐに痛みを感じている場合は、痛みのピークといわれる埋入後2〜3日は痛み止めを服用し、様子をみましょう。
痛み止めを服用しても痛みが続く場合は、アンカースクリューが緩んでいる可能性があります。かかりつけの歯科医院に相談しましょう。

歯茎が腫れて痛みを感じている場合は、口内の清掃状況が悪いことが主にあげられます。長く続くようであれば、歯科医院を受診してください。

頬や舌が痛む場合は、アンカースクリューが擦れて痛みを感じているケースが考えられます。その際は、歯科医院から渡されるワックスの使用をおすすめします。
そのほか、頬や舌が痛む原因として、アンカースクリューが外れている場合があります。口内を傷つけてしまうリスクがあるため、クリニックに連絡して状態の確認をしてもらいましょう。

アンカースクリューは外すことを前提として取りつけているため、舌や指など外部からの刺激されることで外れてしまうことがあります。

また、アンカースクリューを舌や指で触っていると、炎症を起こす原因にもなります。
できるだけ触らないようにしましょう。

アンカースクリューを埋入してから、安定するまでは大体2〜3ヶ月ほど時間が必要です。

また、アンカースクリューを埋め込んだ周辺は、しばらくの間デリケートな状態になるため、装着してから2週間は特に患部を触らないように意識しましょう。

アンカースクリュー埋入後に口腔内の清掃を怠ると、アンカースクリューの周囲に細菌が入り、炎症を起こしてしまいます。その結果、歯肉が腫れてアンカースクリューが埋まってしまうことがあります。

アンカースクリューが埋まってしまうと、歯を上手く動かせなくなってしまいます。炎症を起こさないためにも、毎日しっかりと口腔ケアを行い、清潔な状態を保ちましょう。歯磨き指導を実施している歯科医院もあるので、歯ブラシのコツについて聞いてみるといいでしょう。

アンカースクリュー緩む原因としてあげられることは、
・口腔内が清潔でない状態
・骨が柔らかい、薄い状態
・硬いものやガムなどを食べている

アンカースクリューは外すことを前提に埋入するため、骨へ結合させずに使用します。そのため、患者さんの骨の状態や口腔内の清掃状況などによって、アンカースクリューが緩む場合があります。

緩んだ状態のままにしておくと、歯茎から抜け落ちてしまう可能性があるため、違和感がある場合は早めに担当の歯科医師に連絡しましょう。

アンカースクリューを使って矯正治療を進めることで、効率よくロゴボを改善することができます。
アンカースクリューは、歯を動かす固定源として使われ、前歯を後退させることに効果的であり、ロゴボの治療と相性がいいといわれているためです。

ただしアンカースクリューは、ロゴボの矯正治療において、絶対に必要というわけではありません。症例に合わせてアンカースクリューが必要か不必要かを診断します。

アンカースクリューでガミースマイルを改善する方法として、アンカースクリューを設置し、歯列を後ろに下げる方法があります。口元の突出感がなくなることで、笑った時に唇が押し上げられる量も少なくなり、ガミースマイルの改善に繋げることができます。

またガミースマイルを改善する別の方法として、上の歯を歯肉の方へと動かす圧下という方法もあります。
その際にも、効率的に歯を動かすためにアンカースクリューを使用します。

ガミースマイルの改善のために、矯正治療でアンカースクリューを使う場合、歯茎の引き上げは3㎜程度が限界であるといわれています。それ以上の改善を希望する場合は、外科手術が必要になります。

矯正治療によって人中の長さが変わることはありません。そのため、アンカースクリューを使った矯正治療に関しても同じことがいえます。

しかし、口元の見え方が変わることによって、人中の長さが違って見える可能性はあります。
歯科医院で矯正治療についての相談をする際に、矯正前の状態と矯正後の状態で口元に違いが出るか、相談してみるといいでしょう。

アンカースクリューをつけた後の食事制限は特にありません。しかし、アンカースクリューをつけてから安定するまでの約2〜3ヶ月は、周辺を刺激しないように気を付けましょう。

安定してからもアンカースクリューが直接当たらないように、食べ方にできるだけ気を付けることが大切です。

アンカースクリューを抜いた後の食事制限は特にありません。ただし、撤去した当日から傷口が落ち着くまでは、特に口腔内を清潔に保つことが大切です。

歯磨きはアンカースクリューを埋入した当日から、通常通り行って問題ありません。
ただし、アンカースクリューの周囲には歯ブラシを当てずに、それ以外の歯の部分に当てるようにしてください。

アンカースクリューの周囲のケアは、埋入後2週間経ってから始めましょう。ケアする際は、歯ブラシの頭が小さいタフトブラシなどを使うと清掃しやすいです。

アンカースクリューを除去した後、歯肉にあいた穴は数日で閉じます。また、骨にあいた穴は1〜2ヶ月でほとんど塞がり、約3ヶ月程度で跡がない状態まで回復します。

撤去後は、口腔内を不衛生な状態にしていると、傷口の回復を阻害してしまいます。口腔内のケアを徹底し、できるだけ清潔な状態を保つように心がけましょう。